未病を治す法について
「聖人は未病を治す」というのは、病未だ起こらざるとき、かねてつつしめば病なく、
もし飲食・色欲などの内欲をこらえず、風・寒・暑・湿の外邪を防がなければ、
少しずつ積み重なり、後に大病となって苦しむ事になる。
内欲をこらえ、外邪を防ぎ、養生を行って病にならないようにすることは、孫子の兵法
に云うように、戦わずして勝つことに通じ、大病になってから大金を投じ苦しんで闘病
するよりもはるかに上策であり、これぞ未病を治す道である。
ここに云う「聖人は未病を治す」は、黄帝内経素問に書かれているのですが、さらに
500年ほど後の三世紀初頭に著された傷寒論には、
「上工は未病を治す」が出てきます。
「上工」とは上手な医者のことで、治療中の病を診て、次のステップに移行させない
ように治療する。という意味である。
未病を治すにも、養生をして病を防ぐことと、医者の治療のことを云う二つがあるようです。