道を楽しむ者は命長し
「貧賤なる人も、道を楽しんで日をわたらば、大なる幸せなり。
しからば一日を過ごす間も、その時刻永くして楽しみ多かるべし。
いはんや一年をすぐる間、四季おりおりの楽しみ、日々にきはまりなきをや。
このごとくにして年を多くかさねば、其の楽しみ長久にして、其しるしはいのちながかるべし。
知者の楽しみ、仁者のいのちながきは、我輩及びがたしといえども、楽しみよりいのちながき
にいたれる次序は相似たるなるべし。」
お金がない人でも、趣味を持って日々を過ごすことが出来れば、それは大きな幸せで、
四季折々、一年中楽しみがあるならば、それを楽しむ人も長命になるでしょう。と先生は
云っておられます。
ここのところは、めずらしく楽しみの話題ですが、
養生法の中心になっているのは、忍耐・がまん・慎むのようです。
飲食は腹八分目、酒は少しだけ、色欲をつつしみ、精気をおしみ、心を平にして気を
やわらげなどとなっています。
これは老化したり、重い病気にかかった時などのときは良く納得できますが、若くて元気の
いいときは、ぜんぜん全く気にも留めない言葉の羅列に外なりませんね。
出来ることなら四十台位に気が付いて少しずつ養生されると良いのにと思います。