若い時から勉めて元気を養え
若き時より、老いにいたるまで、元気を惜しむべし。
年わかく康健なる時よりはやく養うべし。
つよきを頼みて、元気を用い過すべからず。
わかき時元気をおしまずして、老いて衰え、身よはくなりて、
初めて保養するは、たとえば財多く富める時、おごりて財を
ついやし、貧窮になりて財ともしき故、初めて倹約を行うが如し。
行わざるにまされども、おそくして其しるしすくなし。
放奔な欲望生活は自殺行為である
世の人を多くみるに、生れ付きて短命なる形相ある人はまれなり。
長寿を生れ付たる人も、養生の術をしらで行はざれば、生れ付き
たる天年をたもたず。
たとえば彭祖といえど、刀にて喉笛ををたたば、などか死なざる
べきや。今の人の欲をほしいままにして生をそこなふは、たとえば、
みずからのどぶえをたつが如し。
のどぶえをたちて死ぬると、養生せず、欲をほしいままにして死ぬ
ると、おそきと早きとのかはりはあれど、自害する事は同じ。
気つよく長命なるべき人も、気を養なはざれば、必ず命みじかくして、
天年をたもたず。是自害する也。
以上二つの教えは、話としてはたしかにもっともなことではありま
すが、若い時から節制するというのは中々実行出来ない事でしょう。
若くて元気があるから無茶無理をすることが出来るのですから。
しかし年をとって老化した時、初めて元気を失ったことに気が付きます。
元気は自分の臓器で作ります。
主に脾(消化器)・肺・腎の三つの臓が深く係わります。
食べ過ぎや飲み過ぎで胃腸を痛めたり、タバコで肺を傷めたり、
セックスし過ぎや過労で腎を弱らせ傷めると、気を作る能力が
低下して元気が無くなり、病気にもなりやすくなります。