百病みな気より生ず
素問*に「怒れば気上る。喜べば気緩まる。悲しめば気消ゆ。恐るれば気めぐらず。
寒ければ気とず。暑ければ気泄る。驚けば気乱る。労すれば気へる。思えば気結ばる」
といへり。
百病は皆気より生ず。病とは気やむ也。故に養生の道は気を調るにあり。調ふるは気
を和らげ、平らかにする也。
凡そ気を養うの道は、気をへらさざると、ふさがざるにあり。
気を和らげ、平らかにすれば、此二つのうれひなし。
(*素問 二千年前の医学書で、黄帝内経素問のこと。)
昔から今も「病は気から」とか「お元気ですか」などと普段の会話に出てくるように、
気は身近な言葉です。
病気にならない為には元気が大事だし、病気を早く治すのも気の持ち様次第と言う
ような意味合いでしょうか。
「気の思想」は中国古代哲学の根幹をなすものですが、中医学でも「気」は人体の
生命活動を維持するための重要な物質とされている。「気」は目で見て確認する事
が出来ませんが、現在の中医学では物質として捉えられ、その種類や作用などに
よって分類し、診断と治療に用いられている。