真気を丹田にあつめる
臍下三寸を丹田と云。腎間の動気ここにあり。
難経に「臍下腎間の動気は、人の生命也。十二経の根本也」といへり。
是人身の命根のある所也。
養気の術つねに腰を正しくすえ、真気を丹田におさめあつめ、
呼吸をしずめてあらくせず、事にあたっては、胸中より微気をしばしば口に
吐き出して、胸中に気をあつめずして、丹田に気をあつむべし。
此の如くすれば気のぼらず、むねさわがずして身に力あり。
貴人に対して物をいふにも、大事の変にのぞみいそがわしき時も、此の如くすべし。
もしやむ事を得ずして、人と是非を論ずとも、怒気にやぶられず、
浮気ならずしてあやまりなし。
或は芸術をつとめ、武人の槍・太刀をつかひ、敵と戦ふにも、皆此の法を主とすべし。
此事をつとめ、気を養ふに益ある術なり。
凡そ技術を行なふ者、殊に武人は此法をしらずんばあるべからず。
又道士の気を養ひ、比丘の座禅するも、皆真気を臍下におさむる法なり。
是主静の工夫、術者の秘訣なり。
* 昔から、「臍下丹田に気を集めなさい」とよく言われていました。
丹田の位置は、臍下三寸を腹中に一寸(その人の親指の幅)入った所で
皮膚表面ではない。気は全身を機能させるエネルギーなので、ケータイ・
パソコン・車などを機能させる電気と同じ感じですよね。
バッテリー切れにならないように、チャージする事を忘れてはいけません。
気のチャージはどうすれば良いのでしょうか?
それはまさに養生することです。漢方では補気薬を使いますが、
基本はまず自分の身体でチャージ出来るようにすべきです。
人は食べ物を胃腸で気や栄養物に消化して、心臓・肺・肝臓・腎臓・脳・手や足
などの隅々に供給します。
従って、胃腸(脾胃)の気をしっかりさせる事が第一番目というわけです。
元々胃腸が丈夫でいつも元気な人と、生まれつき胃腸が弱くて元気の出ない
方がいらっしゃいますが、養生をしっかり行なえば生涯現役も大丈夫です。