「葛根湯ありますか?」と50代後半の女性がおいでになりました。
暑くてエアコン効きすぎで風邪でも引いたかと思い、「かぜですか?」
とお聞きしました。
お客様は、「いいえ肩こりに使うのです」。
私、「パソコンの使い過ぎですか?いつごろからですか?」
お客様、「以前から仕事で目を使うので目がすごく疲れて肩が凝るのです」。
私、「それは大変ですね、差支えなければ舌を見せて頂けますか?」。
舌の状態は、血色が少なく淡白で舌苔は薄白、歯痕があり、舌裏の静脈が
青く太くなっていました。
淡白舌+薄白苔+歯痕は気血両虚(元気と血液共に不足していること)で気虚の
割合が少し多い。
舌裏の静脈が青く太いのは、血液の流れが悪くなっている「瘀血」を表します。
以上のことから、この方には「葛根湯」は合わないと思いました。
葛根湯は寒さで風邪をひいたときに身体を温め発汗させて熱を下げるものです。
夏は暑さで発散が多い時季ですがそこへ発汗剤でどんどん発散すれば、汗と
一緒に気も発散するのでさらに気虚が進み、身体がだるくなって元気もなくなり・
さらに調子が悪くなるでしょう。
そこで私は次のようにお話しました。
お客様は気の不足と血の不足(目の疲れは肝血不足)のため「気」が流れず肩
凝りが起きていること。
葛根湯は上記の理由で身体に合わないから、気血両虚に使う漢方薬(八珍湯類)
と肩こりの血流改善薬を合わせて使う方が良いことをご提案しました。