《春の養生》
漢方の古典「黄帝内経」に、「春の三ヶ月は、万物が古いものを押し開いて、新しいものを出す季節であり、天地間の生気が発動して、もの皆すべてが生き生きと栄えてくる」と云っています。そして人体の陽気も成長をはじめ、新陳代謝が盛んになります。
漢方では、春の気は「肝」に影響を与えやすい季節であると考えていますので、春の養生は「陽気を養う」と「肝を護る」ことが最大のポイントになります。
具体的に注意すべき三か条
1、保温に注意
春一番が吹いたとはいえ、まだまだ朝晩の寒さには気を付けなければいけません。陽気を損なわないよう保温に注意しましょう。
2、肝を護る
肝の気の特長は、春の樹木のようにのびのびと上に伸びることを好む特性があります。身体全体の気のめぐりとも関連するので、適当に運動をしたり、心を楽しくして肝氣を抑制しないようにしなければならない。
ストレスは気のめぐりを悪くするので、心のゆとりを忘れないで過ごしましょう。
3、食養生
色々な養生法がある中で、最も基本になるのが毎日の正しい食事ではないでしょうか。私たちの細胞はすべて植物や動物から作られる食べ物を原料として出来上がっています。自然に感謝し、季節を感じ、旬を味わう喜びを大切にしたいものです。食べた物は体内で正しく消化、吸収され良い血液になって循環し、不要なものは残らず順調に排泄されることが健康にはとても大事です。
春におすすめの食材は、
ニラ、ニンニク、玉ねぎ、香菜、しょうが、紫蘇、ニガウリ、春菊、セロリ、オレンジ、ミント、アサリ、シジミ、などです。但し、ある特定のものに偏らないようにしましょう。一説に、春は酸味のものは少なめに、甘味のものを多めにとるのが良いともいわれています。
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