今年は早めに梅雨に入ったようですが、梅雨が大好きと言うのは雨蛙とアジサイぐらいではないでしょうか。
梅雨はジメジメとして湿気が多いので気分が晴れず、病気も湿気によるものが多くなります。
梅雨時に目立つものとして、身体が重くジワーッと締め付けられるような痛みを感じる、筋肉痛、関節痛、腰痛などが多いことです。
漢方で痛みの原因は身体の内と外にあると考えていて、例えば体外の原因には風邪、寒邪、湿邪、暑邪の4つがおもなものです。
体内には、生活習慣や内臓の不調などで発生する内生五邪(体内に出来る風、寒、湿、燥、熱の五つの邪)、痰飲(停滞した人体に不要になった水)、瘀血(流れが悪く停滞している病理的産物)などが原因物質になります。
これら体内外の原因物質の停滞によって「氣血」の流れが悪くなって起きる強い痛みを実証タイプの「不通則痛」(痛ぜざればすなわち痛む)であると考えます。
そしてもう一つ、老化や長年の病気など機能が低下したことで筋肉や関節などの必要なところに栄養が行き渡らずに起きる痛み、虚証タイプの「不栄則痛」(氣血の不足で栄養できずに痛む)があります。
それに、虚と実や寒と熱が重なり合った状態の症状があるので、実際の症状のタイプは相当多くなります。
漢方の治療は、痛みそのものに対する鎮痛薬ではなく、痛みを起こす原因に対して漢方薬を使います。シップや鎮痛剤で治らなかった方は漢方を使ってみましょう。
漢方薬は、薏苡仁湯、麻杏苡甘湯、防已黄耆湯、二朮湯、越婢加朮湯、疏経活血湯、桂枝加苓朮附湯、川芎茶調散、竜胆瀉肝湯、独歩丸その他を症状により使用します。

じゅうやく
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