ストレスが気の流れを悪くすると、内臓や組織に色々な良くない結果をもたらします。
「七情」が臓腑や気に与える影響
〔怒り〕 肝臓 気の上昇(興奮・目が赤い・頭痛)
〔喜び〕 心臓 気が緩む(気の集中できない)
〔思慮過度〕脾臓 気を結ぶ(やる気出ない・食欲不振)
〔憂鬱と悲しみ〕肺臓 気が消える(意気消沈など)
〔恐れ〕 腎臓 気が下りる(二便失禁など)
〔驚き〕 腎臓 気が乱れる(どうして良いか解らない)
以上の通りですが、中でも「肝・心・脾」に対する影響が大きい。
ⅰ、肝の気滞と肝陽上亢
中医学の教科書には、「肝は疏泄をつかさどる」と言っています。気の流れは主に
肝臓によってコントロールされると言う意味です。
ストレスが肝の気の流れを悪くすると、「気滞」と言う状態になります(肝気鬱結=
肝鬱とも云う)。
肝がストレスを受け、精神情緒がのびやかさを欠く状態になり、イライラする・胸や
わき腹が張る詰まる・ガスやゲップが多い・ため息が出る・頭が張るように痛むなど
の症状が出る。
肝の気滞でさらに心臓・胃腸・肺などの機能をコントロール出来なくなると、動悸・
息切れ・過呼吸・食欲不振・下痢・手のふるえなどの症状が出てくる。
治療は「理気薬」・「疏肝薬」を用い、気滞を改善する。
肝欝気滞がもっと強くなると、火山のようにいっきに爆発して、血圧上昇・のぼせ・
頭痛・目の充血・顔が赤いなどの症状がでます。
この状態を「肝陽上亢」と言います。
治療には、理気・疏肝薬に「潜陽薬」を加え、上昇した熱い気を鎮めます。
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